高齢者の安全入浴について

「入浴に関わる死亡事故は、交通事故死の約4倍以上」


入浴に関わる事故は、年間およそ19,000人と推定されています。

その内、家庭での溺死者は4,866人(2014年)であり、この内の約9割が65歳以上の高齢者です。

そして入浴に関わるる死亡者数は、交通事故死の約4倍以上という事実はほとんど知られていません。

「家庭内でのおぼれる事故とは」

東京消防庁によると、高齢者の「おぼれる事故」は、5年間に2,801人が救急搬送されています。

東京消防庁ホームページ:「おぼれる」事故による高齢者の年別救急搬送人員より

平成29年の月別救急搬送人員を見ると、12月から3月までの冬の時期に多く発生していることが分かります。

東京消防庁ホームページ:「おぼれる」事故による高齢者の月別救急搬送人員より

入浴中の事故を防ぐためには

①急激な温度変化を無くす

冬場は、脱衣所や浴室の温度が低くなります。

暖かい部屋からの急激な温度変化には高齢者は対応できません。

脱衣所や浴室を暖かくすることで、入浴時の事故を防ぐことができます。

(脱衣所にストーブを設置したり、浴槽の蓋を暫くあけておいて、湯気で保温するなどの対応が有効です。)

 

また、お湯はぬるめに40℃以下がお勧めです。

 

➾急激な温度変化を無くすことで、血圧の上下変動を少なくすることが重要です。

高齢者が熱いお風呂を好む理由

頑固なお爺さんは、熱いお風呂に入っているイメージがあります。

あれは、高齢になると感覚器機能が低下し、熱さを感じにくくなっているためです。

また、体温調節機能も低下する為、熱いお風呂に長時間入っていると、体温が上昇し過ぎてしまい、いわゆる「のぼせ」を起こし、死亡事故につながる危険性が有ります。

頭に冷たい濡れタオルを乗せることで、「のぼせ」を防止することができます。

②水分補給を忘れずに

人間の身体は、60~70%が水分です。

高齢になると、若い頃に比べ水分率が約10%減ることが知られています。

つまり、体の中の水分量が少なくなるため、若い頃より脱水症状になりやすくなっているのです。

また、年を取ると喉の渇きを感じにくくなります。

一般的に入浴後には水分補給する方は多いかと思います。しかし高齢者の場合は入浴前後に分補給が必要です。

脱水状態で入浴すると、血液の粘度が高まり「ドロドロ血液」となるため、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。

③食事直後は入浴しない


入浴により皮膚の血管が拡張すると、同時に心臓・脳・腎臓の血管は拡張しますが、胃腸の血管だけは収縮して血液循環が悪くなります。その為、胃液の分泌や胃腸の運動が悪くなり、消化吸収も悪くなってしまいます。

食後は60分以上の休憩後に入浴するようにしましょう。

④かけ湯

かけ湯(かかり湯)は、体の汚れを洗い流す意味がありますが、高齢者の場合には事故を防ぐために重要です。

かけ湯をする事で血圧の急激な上昇を防ぐ意味があるのです。

こんな時は入浴は控えましょう

①体温が37.5℃以上ある時

②脈拍が80泊以上ある時

③血圧が上160mmHG、下100mmHG以上ある時

④息切れが激しい時

高齢者安全入浴10カ条